2013/02/08
自然療法家の使命


医療が医師の使命だとすれば、自然療法家の使命とは何だと思いますか？
法律的にも医師以外の医療行為は、認められていません。
来院される患者さんには、｢私は病気を治すわけではありません｣誤解を恐れずいつもこの言葉からご説明させて頂いています。
もし、患者さんが自然療法家に医療を期待しているとすれば、それは間違いなく期待を裏切る結果となるでしょう。
それでは、病院でもない医師でもない自然療法家の使命とは？
私はこう考えています。
人体には治癒のプロセスを助けるものが生まれながらにしてたくさん備わっています。
すべてを書き尽くすことは出来ませんが、たとえば解明されているものの中で特に重要なものは免疫系だと考えています。
免疫系は、本来の調和を維持するための主要なシステムです。
この働きを助けているのが自律神経系と内分泌系で、自律神経系はトラウマに対して瞬時のうちに防御的な生体反応を示し、内分泌系はその防御的反応の多くの発生を助け、特にリラクゼーション反応が起きている間に身体が癒されることを助けています。
病気から回復するプロセスには、体内のエンドルフィンやエンケファリンをはじめとするニューロペプチドの働きが関与しており、こうした物質が生じることによって、痛みやその後遺症を自分自身の身体が自立的に管理できるようになっているのです。
脳幹部にある視床も、過度の痛みを自覚する前に取り除く助けをしています。
人体が如何に治癒するかを如実に示すものが皮膚ですが、これは、きわめて迅速に自ら再生する組織です。
骨組織、肝臓、末梢神経にも同じことが言えるでしょう。
この他にも、たくさんの治癒プロセスを助けるシステムを人体は生まれながらに備えています。
自然療法家の使命とは、すべての人に備えられた自然の協力者に影響を与え、その効果を高めることだと思っています。
自然療法家として私が考える身体観は、現代に共通する身体観とは少し違います。
身体と環境は相互浸透的なもので身体と環境の境目に皮膚があるとは考えていません。
必然的に自然療法的アプローチは、医療とはまったく違う視点の世界になることは言うまでもありません。

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